おっぱいが張って痛い「溜まり乳」を改善する方法

出産後、赤ちゃんに飲ませるために母乳が作られ始めます。お乳がちゃんと出てくれるかどうかも心配ですが、出始めると今度は出過ぎてしまう、またなかなか出ないといった悩みや、乳腺が詰まって炎症を起こす乳腺炎になるなど、おっぱいの悩みはつきることがありません。出過ぎる溜まり乳やなかなか出ない差し乳にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。またその改善方法について、詳しくご紹介します。

「溜まり乳」とは?

溜まり乳とは、母乳の出方についていわれる言葉で、母乳の出が良く、すぐ胸が張る、漏れるといったタイプのおっぱいのことをいいます。

よく出るのだから問題はないと思いがちですが、通常は赤ちゃんがお乳を欲しがる鳴き声などに刺激されてお乳が出るので、常におっぱいが張った状態となり、乳腺が腫れる乳腺炎にもなりやすくなります。

溜まり乳と差し乳の違い

乳がいつもたまってしまう溜まり乳とは逆に、授乳するまでお乳が出ない状態なのが差し乳です。

溜まり乳タイプの特徴

・常におっぱいが張っていて、痛みを感じることもある
・授乳の間隔が開くと乳が漏れ出すことがある
・搾乳がたくさんできる

差し乳タイプの特徴

・授乳の間隔が開いても胸が張らないので気がつかないことがある
・搾乳があまりできない

差し乳タイプの場合、赤ちゃんが吸うことでお乳が出るのですが、それ以外の時にはおっぱいが張らないため、授乳の時間に気がつかずに母乳を忘れたりしがちです。

授乳する回数が減ると、母乳が作られなくなり、やがて母乳の量が減ってしまいます。新生児の場合は、免疫をお母さんからもらう必要があるため、母乳を与える必要があります。母乳が出なくても粉ミルクなど、赤ちゃんに必要となる栄養分を他で補う手段はありますが、できるだけ母乳を与える方がメリットが大きいといえます。

乳腺炎などになりにくいといったメリット面から、差し乳の方がいいと考えられがちですが、赤ちゃんが生まれるまでは差し乳か溜まり乳かは分かりません。また生まれた時には溜まり乳で、授乳を続けて行くと差し乳になる、また左右で状態が違うこともあります。

ただし溜まり乳や差し乳というのはあくまでのその現象を示した呼び方で、実際には母乳は常に作られ続けているので、差し乳の母乳の方が新鮮、溜まり乳は母乳がたまっているからそうではない、ということではありません。

また溜まり乳タイプであっても、母乳が詰まっていて出にくい状態になっていることもあるため、痛みを我慢して母乳をあげ続けるのではなく病院で先生に相談するといいでしょう。

溜まり乳を改善する方法

溜まり乳でのトラブルを防ぐためにも、普段の生活で溜まり乳を改善していきましょう。

1.搾乳を小まめにおこなう

授乳の回数を増やすと、かえって刺激となって母乳が作られてしまいますので、小まめに搾乳をおこないましょう。ただしあまりしすぎるのもかえって母乳過多につながりますので、新生児のうちは授乳回数を増やす工夫も必要です。

2.おっぱいをあげる時には左右とも飲ませる

左右とも溜まり乳の場合もありますし、片方が差し乳など、おっぱいのタイプは人それぞれ違いがあります。どちらのおっぱいもちゃんと授乳させることで、反対側にも刺激され母乳が作られることにつながります。乳腺炎は差し乳でもなることがありますので、出やすい方ばかりに偏らないようにしましょう。

3.水分を取り過ぎない

水分補給は大切ですが、摂り過ぎは母乳過多につながりやすいので注意しましょう。

4.食事に気をつける

母乳は血液から作られますので、毎日の食事が母乳にも影響します。油の多いものや肉類、甘いものの食べ過ぎには特に注意しましょう。魚や鶏肉、大豆などのおかずを中心に、和食のメニューを食べるようにしましょう。

5.血行を良くする

血行を良くすることで、母乳がスムーズに作られるようになります。特に運動不足になりがちなので、肩や首回りをほぐす、また小まめに歩いて足の血行を良くしましょう。ストレッチやヨガを毎日の習慣にするようにします。

6.乳腺マッサージをする

食事や毎日の生活に注意していても、溜まり乳の場合は乳腺が詰まりやすいので、マッサージをするようにしましょう。やり方が分からない、また上手くできない場合は、助産婦さんに実際にしてもらいながら、練習をしましょう。

新生児の場合、授乳は1日8回から10回程度が一般的です。体重などが気になりますが、授乳をしておしっこをちゃんとしているなら大丈夫ですが、心配なら早めに病院に相談しましょう。

母乳の飲ませ方にも工夫が必要

母乳が多く出る溜まり乳では、赤ちゃんが飲むのを嫌がることがあります。

赤ちゃんが飲むのを嫌がる理由

母乳の勢いにむせてしまう

母乳の出が良いと、上手く飲むことができず、むせてしまうため嫌がるようになります。

母乳の味が違う

母乳がたまって質が落ちているとも言われますが、実際には乳腺炎によって、血などが混じり、味がいつもと違うためです。

上手くくわえられない

胸が張っていると、赤ちゃんが上手く乳首をくわえることができないため、飲むことができず不機嫌になります。またしっかりと飲むことができず、量が足りないため満足できないままになります。

この場合は母乳を少量だけ絞る、圧抜きをすることで、赤ちゃんが乳首をくわえやすくなります。また静かに落ち着いて授乳できる環境を整え、お母さんも赤ちゃんもリラックスした状態で授乳ができるようにしましょう。

新米ママの場合、赤ちゃんができたらきちんとすぐに授乳ができるというわけでななく、おっぱいを飲むのは赤ちゃんにとっても初めての経験です。どうしても上手く飲ませることができない、またお乳が張る場合には、おっぱいに何か異常が起きていることもあります。

1人で頑張ろうとせず、病院や助産婦さんなど、プロのアドバイスや手助けを求めるようにしましょう。